威沙で作成したPDFを印刷所に入稿し、完成

先日威沙で作成したPDFファイルを、そのまま印刷所に入稿してみました。今回使用したのは、株式会社ポプルスさんです。結論から言うと、問題なく印刷されました。威沙のバージョンは20150724開発版です。

今回はポプルスさん試用を兼ねての個人的な小説(?)本製作です。
※以下に本の写真を載せてありますが、タイトル・目次内容・本文は、「内容を一切知られたくない」という個人的な事情によりモザイクをかけています。よって本文の印刷品質がわからない画像になっています。申し訳ございませんがご了承ください。

総ページ数154ページ(本文150ページ)ということで厚いです。約9mmあります。
厚さ約9mm
しかもB5版なので重い。重さ計ってみたら386gありました。重い!
本文用紙は淡クリームキンマリ90kでした。ちょっと厚い気がしなくもないですが、裏透けは気になりません。70kのほうがめくりやすい気がするんですが、基本料金外だったので……。

諸事情(総ページ数との兼ね合いとか)で、中表紙はなく、突然目次です。
目次
正直このレイアウトでB5版は文字がでかすぎです。が、文字を小さくして余白ができても入れるものがなかったので、このまま使いました。今回は自分専用なのでこれでOKなのですが、販売もするちゃんとした本(?)のときは、もっと考えよう……。
目次がやたら長いので、入りきるように調整して、全体の見栄えも考慮して若干文字の位置を変更してあります。
ページ下部にはページ番号が入れてありますが、これは威沙で自動入力されるものではなく、固定値をテンプレートに直接書き込んだものです。

この次(右ページ)から本文なのですが、威沙では本文開始ページは左ページとなっており、自動で空白ページが挿入されて左ページ始まりになります。そこで、本文開始行に<newpage/>タグを書いて改ページし、疑似的に右ページ始まりにして、「指定ページ出力」で空白ページを省いて出力しています。

本文はこんな感じです。
本文モザイク入り
深く考えずに小口側に画像を配置してみましたが、読むとき邪魔にならず、そこそこの装飾で結構いい感じです。
小口45ポイント(約16mm)、ノドは60.5ポイント(約21mm)なんですが、小口側は持ったときに指で字が隠れず、ノドも深く開かなくても読めて、ちょうどよかったです。自作プロファイルだったので満足です。ノドはもう少し(あと5mmくらい?)あってもいいかもしれません。もっと厚い本の予定があるので、そのときはノドが25mm(約70.9ポイント)くらいになるようにしてみようかと思います。
自家用プリンタだと文字8ptは読みづらいこともあるそうですが、印刷所での印刷の場合は、8ptどころか7ptでも余裕なんじゃないかと思うくらい読みやすいです。モザイクかけてそんなこと言っても伝わりませんが!

個人的に理想の同人誌の条件となっている「布団の中で寝っ転がりながら読める本」は、今回は満たしませんでした。なんといっても386g。重い。そしてやっぱりB5はでかかった……。(小説雑誌みたいで好きなんですが。無念)
でもB5で作ってみてよかったです。漫画同人誌だとB5でもさほど気にならずに(布団の中で)読めたりするので、今後のためになりました。

クリスタで作った画像は無事断ち切り印刷されてました。
背景断ち切りされてる
角のところ撮ればよかったとあとで思いましたが、めんどくさいのでこのまま掲載。画像は威沙を介してPDFに埋め込みましたが、解像度にも問題がなかったようで、綺麗に印刷されています。今回一番気になっていたのはここだったので、安心しました。(威沙の現行の仕様では原寸でなく伸長することになるらしいため、誤差の範囲とはいえ、解像度が正確には600dpiにはならないのが気になっていました)

奥付も目次と同様で正直でかいです(フォントとか枠組みとかが)。
奥付
これも今回は自分専用なので別にいいのですが、ちゃんと作るときはレイアウトやフォントサイズ変えたほうがいいかもですね……文庫サイズだとこれでもそんなにでかい感ないと思うんですが、B5だと、うん、字が大きい。A5でも大きいと思います。
目次や奥付の基本の文字サイズは、本文と同じか、それ以下の文字サイズにするといいんじゃないかなあとか思いました。これは実際作ってみないとピンとこなかった部分です。(私は試し刷りしてもインパクトがピンとこなかった)

テンプレートでは奥付のフォントサイズの指定は「2.861952861%」とかになっているんですが、これはもしかしなくてもページ横幅か縦幅が基準なんですかね(今更?)。縦幅基準だとすると、約3%でもB5の場合は20ptとかになってしまうという……。そりゃでかいわけですね……。
ページサイズ基準の%指定で、どの判型でも同じレイアウトが実現できるのはソフト作者側としては非常にいいですし、威沙をさっと使っていろんな判型でページ数を割り出してみるに当たってもありがたい存在なんですが。実際に本を作ろうとしたとき、エンドユーザ側が「あらゆる判型に通用する奥付」を必要としているかというと、そんなことはないと思うのです。普通は特定の判型だけ想定するのではないでしょうか。
というわけで、やはり威沙デフォルトの目次や奥付は「自分専用レイアウトを作る土台」にするのが正しい気がしました。っていっても現行の威沙の仕様だと、理想的なものを作るのは結構大変ですが……。

今回、入稿すべく威沙でPDFを作ってみて思ったのは、塗り足しあり(各判型の原寸ではない)での出力をするときの不便さです。
私は「トンボ付与」機能を使ったときに塗り足し3mmサイズで出力されるプロファイルを作ってPDF作成をしたのですが、画像を挿入する場合、更にその外側に原寸トンボをつけたい事態が頻発しました。トンボをつけて試し刷りし、トンボに合わせて紙を折るなどして、塗り足し部分がどうなっているかなどを確認したかったのです。
今の威沙の仕様でそういうこともやるとすれば、「トンボ付与」で塗り足し3mmの用紙サイズで出力するプロファイルと、ワンサイズ大きな用紙にトンボを書き出して画像伸長は塗り足し3mmサイズと同条件にするプロファイルの、2種類を用意する方法しか私には思い浮かばないです。原寸出力サイズを塗り足し3mmにしてしまうと、トンボサイズも塗り足し3mmサイズになってしまうため、原寸は原寸のままにしておかないとならないのです。
ここら辺がなんとかなると、コピーや自家用プリンタだけでなく印刷所入稿にも活用しやすくなるんだろうなあと思いつつ、ユーザーの工夫でどうにかできる部分なので、威沙公式には対応してもらわなくてもいいような気もします。

今回は、B5で厚い小説同人誌を作ったらどんな感じになるのかということが実感できたので、大変有意義でした。近々作る予定の(何ヶ月後だよ)厚い小説本は、A5にしよう……A5でも重いと思うけど……。

今回作った本のPDF作成の話はこっちにもちらっとあります。

(2015年8月29日 追記)


なんだって……仕上がり線(原寸サイズ)を表示できるだって……!?
というわけで、今回の本を作成するのに使用したプロファイルを別の文章で使用してPDFを作成し、印刷してみました。
仕上がり線出力機能使ってみた(罫線)
こ、これだー!! 私がほしかったのはこの機能ですよ!!
上のほうでは「仕上がりサイズのトンボ」と書いてありますが、仕上がり線をきっちり引いてもらったほうが、どう仕上がるのか一目瞭然なので大助かりです!
加えて、この「仕上がり線表示」は、プロファイルを自作したり、既存のプロファイルを調整するときにも役立ちます。威沙のプロファイル作りが密かな趣味なので、これはありがたい……! 今後、プロファイルを調整するときに活用したいと思います。(この「罫線」チェックボックスは、後日改めて「仕上がり線表示機能」として実装されるそうです)

威沙で実際にページ背景を入れてみるの巻

威沙ページに背景を入れる計画を以前立てましたが、実際にやってみましたのでご報告です。

まずはクリスタで背景画像を作成。この辺はゆさ紅羽さんのブログで詳しいので(コミスタですが)割愛します。

威沙で専用のテンプレートを用意します。といってもそう難しくはないです。威沙インストールフォルダの中の「template」の中にいくつかありますので、好きなフォルダをコピーして名前を適当に変更します。ここでは「bgtest」にしたことにします。

「bgtest」フォルダ内に、背景画像をコピペします。私は右ページ用と左ページ用を作ったので、2枚コピーしました。そのあと、「right_page.tnf」の最初のほうに「<nopagenum>」というタグがありますので、その下に(上でもいいかもしれないけど)
<img src="右ページ用背景画像名.画像拡張子" alt="" />
と書いて保存します。「left_page.tnf」も同様に、「<nopagenum>」というタグの下に
<img src="左ページ用背景画像名.画像拡張子" alt="" />
と書いて保存します。あとはPDFを作成するだけです。

が!
生成ページ数が多いと、悪夢のように時間がかかります(私のPCが遅いだけか……?)
時間がかかるとは言っても、放置しておくだけでいいので、何か別の作業とかしていればいいんですが……威沙がフリーズしたのではと思うくらい時間がかかります。ほんとにめっちゃかかります。ここの動作がもうちょっと早くなればなあ……。

PNGファイルだと時間がかかったり、フリーズしてしまうケースが多いようです。JPGファイルにすると、スムーズに進みます……といっても画像無しの出力よりは遅いですが。

完成したページ背景見本は人に見せるようなものではないので省略します無いとどんな感じかわかんないだろうなあ、と思ったので小さいですが見本を載せておきます。

威沙で画像背景を貼ったPDFの画像です
威沙で画像背景を貼ったPDFの画像です

B5・三段組です。ページサイズは原寸+塗り足し3mmになっています。今回は小口側に画像が表示されるように作成しました。

今回の作業をやってみて思った、威沙への要望のようなもの
・PNG画像を各ページに貼る際の処理を速くしてほしい(JPGは割と速いです)
・画像を原寸で貼り付ける機能がほしい(拡大縮小しないでほしい)
・画像はページ中心から貼ってほしい(ページ中心ではなく文字組の中心から貼っているように見える)
というところですかね……

テンプレートで不要なページ(イラスト謝辞とか中表紙とか)を表示しなくなる方法を見つけたんですが、それはまた別の機会に書きます。

威沙とクリスタとPDF24(同人誌の組版計画) ※余談が長いです

以前も威沙のことを書きましたが、組版計画がもうちょっと具体的になったので、その話です。

まず威沙のテンプレートファイル(のうちの、right_page.tnf)に、他テンプレートを参考にしつつ画像をimgタグで挿入してみました。そうして威沙で組版してみた結果、
20141225威沙で小説本文に背景をつける実験・原寸
こうなりました。右側ページだけ画像が背景になってます。(自作プロファイルでのB5・三段組です。使用した画像は威沙同梱のBYGテンプレート内にあった画像です)
左側ページにも同じように画像を入れることができます。左右でデザインを変えることができるのがデフォルト機能です。(というかそうしないとノドに余裕をもった組版ができないのでそうなっている)

その後、自作プロファイル(トンボ付与機能を使って、用紙設定を変更したもの)で塗り足し3mmにして、B5・断ち切りサイズ(188×263)で出力もできるようにしてみたものがこちら。用紙サイズはAdobe Readerで確認しています。
20141225威沙実験結果・3mm塗り足しで背景ふちまで伸ばした
プロファイルに
TrimMark_imgresize=20
(17と書くとちょうど3mmくらいになるので、17でいいのですが、余裕を持つのとキリがいいのとで20にしてある)と書き足さないと、余白ができてしまいます。

って書いても理解できる人はあまりいないのかもしれないですが、ツイートだと流れ去るので一応メモしておきます。(そもそも「トンボ付与」での塗り足し3mm出力から教えろ、という方は威沙の公式掲示板の「質問スレッド」に書いておいたので見てみてください……あれでもわからない人はわからないと思いますけども。そのうちこのblogでも書き改める……かもしれません)

で、本題はここから。以前も書きましたが、ゆささんによる「小説原稿データ作成方法(改訂版)」に倣ってやってみようかなあと思っていたんです。が、私が作ろうとしている本はB5・三段組という極力ページ数が抑えられる判型・段組でも100ページを超えることは確定しています。100ページ以上(推定200ページ以上)地道にコミスタで画像処理し続けるの……? WYSIWIG大嫌いな私が……? 無理だろ……。そう思ったので、先述の実験をしてみたわけです。要するに「ページの装飾画像を用意して、威沙に各ページに貼ってもらおうぜ」ってことです。

そのための作業工程(推定)。
1.小説本文を用意する。
2.TNFタグを使って満足のいく組版を威沙で行い、PDF出力。
3.たまたま使っていたPDF24 クリエイターで、適当な右ページ・左ページを1枚ずつ画像出力(無圧縮のbmpが一番いいのだろうか? ほか、TIFFやJPGでも出力できます)
4.CLIP STUDIO PAINT EX バリュー版CLIP STUDIO PAINT PRO バリュー版でも一応可能)で、モノクロ600dpi、B5、断ち落とし3mmでファイル作成。右ページの画像を読み込んで右ページ用装飾画像を用意して、右ページの画像(文章)自体は削除し装飾画像のみ保存。左ページも同様に。
5.威沙のテンプレートで、右ページ用装飾画像はright_page.tnfに、左ページ用装飾画像はleft_page.tnfにそれぞれ貼る。
6.威沙で5で作成したテンプレートを使用したプロファイルで本文を改めてPDF出力
7.PDF24 クリエイターで不必要なページの削除などをする
8.Word等とCLIP STUDIO PAINT等で奥付や中表紙等を作成、印刷→PDF24でPDF変換
9.ファイル名やファイル形式を印刷所指定の体裁に揃える(今はPDFでの入稿を考えているけど、必要に応じてpsdなど)
こんな感じで作れるんじゃないかなあ、とアバウトに考えています。

でも実際の作業は4~6を複数回繰り返す(というか複数のページ装飾画像セット&テンプレート&プロファイルを用意する)ことになりそうです。話の流れによってページの装飾変えたいなあとか思うと。威沙には指定ページ出力という機能がありますので、基本背景はステンドグラスだけど、第3話は背景が森、第5話は血痕とか、そんな感じで装飾変えていきたいのです。特定の話のとき背景を変えるのならその部分だけ地道に画像処理でもいいんじゃ、とか少し思ったんですが、やはり私WYSIWYGな作業は極力やりたくないので、威沙さんにお願いしたいです。

まあ、そうして作った本が読みやすいのか読みにくいのかはさっぱり見当がつきませんが! もう某ストレティアシリーズ(本編・蛇足・夜魔編)の再録本作って、同人誌作成の練習しようかとか考えているくらい。作業量がぱねぇのであまり考えたくないですが。(あと需要もない)

ページ装飾は文字にかかるとめっちゃ見づらいので、文字にはかからない装飾を考えてはいますが、ページ番号を左右対称の位置に入れてその近辺に小さい画像入れるだけでも割と面白いのかなあとか。ページ上部・下部とか、小口側の上下角とか装飾するのもいいのかもしんない。と夢は広がりますがまず本文仕上げないと……来年中に発行できるといいですね、ザックラ再録+α本……。

以下余談……というか愚痴というか悩みというか。 続きを読む 威沙とクリスタとPDF24(同人誌の組版計画) ※余談が長いです

Pixivで連作中のザックラの再録本の組版の話

このザックラ連作いつ終わるの……(現在Part17.5)

文字サイズは8ptで良さそうかなあと思っています。そして、Wordでぽちぽち組版しようかなあと考えていたのですが、やっぱり私LaTeXで……ってところで突如TLに降臨した威沙。同人界隈では結構話題になりましたので、ご存じの方もいらっしゃるかな? 小説同人誌作成のためのツールということで、実に小説同人誌作成に便利な機能満載の、LaTeXをもっと簡単にしたソフトです。

私はWYSIWYGソフトが大嫌いで、Wordで組版するのは避けたかったのですが、友人・ゆさ紅羽さんの原稿作成方法と紙面が美しいので、ゆささんの原稿作成方法に従って、紙面装飾を少ししようかなと思っていたんですね。そこで、Wordでやるしかないかと思っていたんですが……やはり折れる心。そして試してみたら、威沙、素晴らしいです……(賛辞)

Wordでアバウトに組んだときは、ページ数は200超えていたのですが、威沙でB5・三段組で組んでみましたら、なんとわずか105ページ! 約半分! それでいて読みやすい! ダッシュ二つ(――)を罫線に変換してくれるので美しい! 縦中横もルビも対応! 完璧だ!!

そして個人的に読みやすい設定にしてみたら、どうもちょっと余白が変なので、その部分に装飾をしようかなあ、と前向きに考えています。ページ上部とページ下部、どちらに装飾するかはまだ考え中なんですけどね。見やすさとの戦いですね……。

完結する頃にはやはりページ数は200くらいいっているかと思いますが、それにしても、随分気が楽になりました……。このままWordで続行していたら、ページ数400くらいいってたかもしれません。行間調整とかはたぶん自力でしたと思うんですけど、元々WYSIWYGが苦手なので……よくわからなくて挫折したかもしれない可能性が……。

LaTeXも捨てがたいのですが、ちょっととっつきにくいものではあることも事実ですし、組版性能は威沙よりLaTeXのほうが上だとは思うんですが、威沙のほうが紙面のレイアウトは柔軟に変えやすいです。そして何よりも作者様ご本人が、私がTLに「威沙のB5・三段組の設定がデフォルトで存在しない」と呟いたのを拾ってくださり、設定をリプライで送ってくださったのです。結局その設定は使わなかったのですが、自力で設定したのと似たような内容であったので、とても安心感があり、また細やかなサポートに感服した次第です。ですので、是非とも威沙を組版で利用させていただきたいと考えております。ヒャッホー!